KEIKO KOMA Webサロン

働く


アントレプレヌールサロンをありがとうございました。

 「誰のために働くか」というシンプルな問いに答えていくことが、社会の中での自分の生き方や存在を明確にすることにつながるとわかりました。

 具体的に「誰」のために働いているかについては、どこか曖昧にしてきた部分があります。「もっと自然が身近にあっていいのに」という幼少期からの気持ちを原点に、環境問題から出発して環境の仕事を経て農業を始めました。農業を始めてからしばらくの間は、自然ばかりを見て人を見ずという状態でした。「働く」という意味ではとても独りよがりな状態であったと思われます。けれども、コンサートや講座を経験させて頂くうちに、人の役に立ちたいという気持ちがどんどん生まれ、今では、環境負荷の少ない野菜づくりだけでなく、美味しくて栄養のある野菜づくりを目指すようになりました。それに伴い「誰の為」を意識するようにもなりました。けれども、普段から何気なく使っている、巷に溢れていることば、例えば、「ターゲット層」とか「富裕層・中間層」などのことばで考えていくと、「誰の為」かがぼやけていくのです。実際に野菜を購入するのはお金を持っている大人ですので、「環境問題に興味のある大人」や「健康に興味のあるファミリー層」程度に落ち着いてしまいます。このような普段何気なく使っているお金中心のことばを使うことは、自分の存在や生き方をごまかす行為であることに、今回の講座で気づきました。

一方、需要と経済などのこれまでの経済理論だけで社会が成り立っているわけではなく、マッチング理論などを背景に、臓器の運搬などお金よりも命を優先する経済のあり方が実際に出現しているお話に希望を感じました。そして、出会いという第一歩も、「自分の生き方」が明確でないと、マッチングしていかないというお話から、「誰のために働いているか」というシンプルな問いに答えていくことが、先をつくっていくことととわかりました。

最近、ひょんな出来事により、「誰のために働いているか」という問いに対して、大きな前進があったと感じています。1か月ほど前に、畑から1kmより離れていない場所でバイオマス発電所の建設計画が持ち上がっているのを知り、住民説明会に参加しました。環境の持続可能性について十分な情報が提供されず、多くの疑問点が残ったので、後日、他の参加者と集まって意見交換をしました。そして、発電所の建設計画をめぐり持続可能な地域の在り方を考える、住民の会の発足に至りました。発足にあたり、自分の気持ちを表現しました。それは「未来の子供たちの心を育む自然を守るための活動をおこなう」というものでした。それがそのまま会の目的になりました。後で会のメンバーの話を聞くと、各人が子供たちのための何らかの活動をやっていたり興味のある人たちと知りました。今回、それが出会いの第一歩であるマッチングであったとわかりました。

これまで「子供」という表現は、自分の中から生まれてきませんでした。けれども、自分の問題意識が地域の問題にまで及ぶと、そのような表現になりました。畑から、何気なく登下校する地域の子供たちの姿を目にしていたからでした。それと同時に、「子供の為」が実は「自分の為」でもあることに気付いたのです。「もっと自然が身近にあればいいのに」という無力だった幼少期からの気持ちを、ものごとができるようになった現在の大人の自分が、幼少期の自分に代わって実現しようと動いているのです。「誰の為に」は、「自他」と「大人・子供」の境がなくなってきました。自分と同じような気持ちをもっている子供・大人のために働きたいとの気持ちがより明確になりました。お金にならない活動だからこそ、惑わされることなく見えてきたことと感じます。そして、ビジネスとしての農業においても、一貫した気持ちで働いていきたいです。

 ありがとうございます。

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スペインのデザイナーの方が駆け寄ってきました
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三鷹市公会堂光のホールにて
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三鷹市芸術文化センター風のホールにて