今、この時
東寺を訪れると、光輝く中を風がそよぎ木々を揺らします。石の上に座り静寂な空間に佇むと、今自分がいつの時代にいるのか、時を超える光の世界にいました。私が大好きな場所をのぞくと、既に葉桜にはなっていましたが、塀と地上に素敵な影絵を映し出し迎えてくれました。瑞々しい緑の中に、たった一輪の桜が咲いています。最近、美しさとはなんだろうと考えます。花の盛りはもちろんですが、今、それぞれの、時々の美しさを自然は教えてくれます。豊かな気づきに感謝します。静かに向かった高句麗伝説です。先生の第一音と間髪いれず表現される高麗さんに、開始早々まるで変わったと分かりました。何も遮ぎるものがなくなったとは、こういう事かとまざまざと一音一音が立体的に直球で襲ってくるのに驚きました。途中前列で頭が後ろに度々仰け反る方が目に入り、大丈夫かと気になりましたが、そんな事に気を取られたら自分が吹き飛ばされると慌てて目を閉じたくらいに必死でした。正にぶっ飛ばされないように、次々と襲う超高速直球を真正面から受け止めるべく、背筋を伸ばし集中します。先生と高麗さんが生命懸けでいらっしゃると同じ思いで無我夢中の時間です。アンコールの大宇宙まで轟き渡る火の柱は、地球の地軸を貫き通す巨大な光の柱であります。この経験をしたからにはと、今後の生き様を突きつけられた今です。ありがとうございます。今日の高句麗伝説、よろしくお願いいたします。