スタート
アントレプレヌールサロンの冒頭で、お聞きしたかった内容はほぼ全てお話し頂きました。私は子供の頃から人の最後がどうであるかを考えてしまい、人の最後がもののように扱われたり、長い人生生きても最後が孤独に終わることなどがなぜか堪え難いほど悲しく辛く生きていくことの希望を見出せないほどに現実を知れば知るほどに落ち込んでしまっていました。今は人が最後まで、あるいは最後こそ豊かに幸せに生きていける経験ができる場や関係をつくることで、解決したいと考えられるようになり、絶望がチャンスに感じられるようになりました。今年に入ってから、在宅医をしている父の診療につき高齢者の方の家に訪問する機会が増え現場で学ぶことが多くあります。国全体の課題から個別の問題まで現場から見えてくる実態がありますが、問題をあげるときりがないほど問題だらけのように感じてしまい、最近は私は何を問題とし、何を解決することが全体の解決になるのだろうかということばかりを考えていました。今日の先生のお答えは、問題をピックアップすること、また一つ一つ解決していって、100あるうちの99解決しても、解決しないたったひとつのことで国が滅んでしまうこともあるという事であり、何か根源的な問題が一つ解決すれば、全てが一挙に解決してしまうようなことがあるのではないかと想像して迷っていたことは間違いであったとはっきりわかることができました。高齢者の認知機能が落ちてきたら、車の運転をやめさせる、そのような仕組みができ当たり前になっていますが、先生はこれは答えじゃないとはっきりと仰られ、目が覚めました。人が最後まで豊かに生きていくことの解決には何一つなっていないことは自明のことでしたが、それもそんなもんだと当たり前に思っている愚かな頭を自覚しました。技術によって解決できることがあるとわかったことは希望であると同時に、国の政策、全体の風潮を当たり前にし疑問をもたず、またいつも最先端に敏感に反応できる生命になっていなければビジネスチャンスをつかめず新しい仕事を生み出すこととは程遠いと危機感も覚えました。
これでいいのか、と最近迷っていたことの答えを得安堵したときに先生はいきなり、100万円の桃をつくって売れるかという話なんだ、と突如仰られ、一瞬訳がわからず混乱し頭を抱えてしまいました。だんだんと後半の話が進むにつれ先生の仰られる意図がわかってくると、無条件に身体が前進していることが分かり涙までこみ上げるほど有難いと感じていました。高齢者をターゲットにすると、よいサービスを提供したいけれどどうしても回収できるお金がないというジレンマに陥りそれ以上どう考えたら良いのかわからなくなっていました。経費のかからない安いこと安いものを売る発想に陥り、貧しいことが当たり前の頭になっていました。ものすごく価値の高いものを売って、そのお金をお金のない高齢者のサービスに回していくという先生の発想はご最もだと感じました。しかし私には今すぐに価値を高め売れるものなど何もないなと頭が思考停止しかけた時、農業の問題を話してくださり閃きました。農業などやったことはありませんが、農地なら地域にたくさんあることは知っていて、農地を残していく政策がとられていることも読んで知っていました。すぐに調べてみたいことが浮かび、新しい発想が湧いてきました。高齢化の問題、少子化の問題、介護の問題、医療の問題、地域連携の問題、核家族化、孤立の問題、病気等の問題、自分のいる領域の中だけでも問題だらけですが、みんなで最後まで楽しく豊かに生きていけることを、初めは数人からでも実現し、証明できれば国全体の希望になっていけるのではないかと、講座の最後には希望が生まれ、明るい光が灯りました。なぜあの一部の高齢者やその周りの人たちはあんなに生き生きし、楽しそうなのだろうか、と人が不思議に感じるほど明るくいれれば、それが光となり一つの成功実績になりうると見えたことがとても嬉しいです。生命丸ごとわかってくださり、同時に抜け出してくださる先生にお会いしてこそ経験できる凄い業です。
先日のコンサートのメッセージでおくってくださった「愛する事」の「事」の意味をお聞きしますます力が湧いてきます。大きく前進できる機会を本当にありがとうございます。