コンサートチケット
昨日となりましたが、自分が勝手に拵えた枠の中で、妙に勝手に決めつけていたことに気がつきました。コンサートチケットをご案内する時は、自分が元気で輝いている時でないと駄目だと決めつけていたのです。もちろん、それは大事なのですが、現実は仕事の帰りとなると、かなりよれよれで疲弊した状態です。自分の状態がこれじゃ無理だと、もっともらしく言い訳して、かつてどれ程の日数が過ぎ、焦り、コンサート当日を迎えたことか。ふと勝手に自分で条件を決めつけているだけじゃないかと思ったのです。自分を身構えさせるから、余計なことに疲弊するのではないかと。いつもの定食屋さんでランチを食べている時、見知らぬ二人の方に、思い切って声をかけてみました。結果は残念でしたが、妙に自分が嬉しくなることに驚きました。何を言うとかでなくパンフレットを見せて、「このコンサートに行きませんか」と聞くと、驚きながらも日程を見て、「その日はちょっと・・・」と、自然に会話ができたのです。二言三言ですが、笑顔で明るく「残念」と言えたのです。その様子を見ていた定食屋のお母さんも、「どうしたの」と声をかけてくれ、「お客さんに聞いてみる」と言ってパンフレットを預かってくれました。ほんの数分の間なのに、明るく爽やかな風を感じるひと時でした。外に出ると先程の若い男性と目が合い、まるで違う笑顔で会話を交わし、「ありがとうございます」と頭を下げて別れましたが、初めての経験でした。思わず先生がロシアでインタビューされた時に、「会った時に決める」と仰ったとの高麗さんの話を思い出します。「そうか、これでいいのか」と妙に嬉しく、職場に戻りました。ところが、「よぉし」と仕事帰りに、同じ調子でいこうと身構えた瞬間、まるで身体の状態が違ってしまう事にも驚きました。ターゲットを物色するかのように立っている方たちを眺め回しても、目が空中を泳ぐだけで身体も動かずです。昼間に何も考えずにスッと身体が自然と動き、気づいたら話しかけていた状態とは違い、自己中心な身勝手さでは駄目だと思い知らされます。チケット売りは、この世の修行との高麗さんの言葉がよく分かる一日です。今日となりましたが、迎賓館コンサートに向かわせて頂きます。よろしくお願いいたします。