これから
母が早朝に作ってくれたお弁当を食べながら母のありがたさ、親に感謝する気持ちでいっぱいの新年となりました。さっきまでの恨みや悲しみは無くなり私自身が幸せに先に向かって生きること、それが母に繋がると分かる新幹線の中です。11月からずっと言い続けた母の京都行きは、母の体調の悪さもあり叶いませんでした。直前まで涙しながらも叶いませんでした。昨夜、数時間しか寝ない中、私の為にお弁当を作ってくれ、出がけに白いコーヒーを一緒に飲みました。「美味しい」と初めて飲む母の姿を見て、ずっと京都に行く、行かないで揉めていたと気づきます。一緒に飲めてよかった。思わず入院中に毎日このコーヒーで助けられたと話していました。本当なら病室では電気ポットは禁止されていたのに、看護師さんが間違えたお陰で許可されたのです。母も、そのポットを買いに知らない土地で1人必死に走り、たった1つ残っていたポットを抱きしめて帰ってきたと話します。そのお陰でICUから戻る時は車椅子にも乗れず死んだような私が、病室に着くや否や、突然立ち上がり白いコーヒーを淹れ、ベッドに腰掛けて飲む姿に医者が驚いたと笑いました。今、母が家で白いコーヒーを飲んでいると思うだけで安心します。早朝の暗闇の中、母に見送られ駅に向かいながら、涙流し何度も「さようなら」と口にしていました。母への決別かと思いギョッとしましたが、自分に対して、あらゆる自分勝手な思いや何もかもに対する「さようなら」です。今、これから始まるのです。昨年までは愛犬 を母に預け、いそいそと1人京都に向かいました。今年は願い叶わず悲しさはありますが、今は心吹っ切れ、これから始まる何かに心馳せつつ京都に向かっています。新年が明けました。新しいスタートです。今日、明日とよろしくお願いします。