ここは盛岡
早朝、ホテルの窓から秋晴れの盛岡の空を見上げていると、胸の奥から静かに涙が込み上げました。盛岡ならではのかけがえのない経験をいただき感謝でいっぱいです。
コンサート前に「高麗恵子語り」に身を置かせていただけたことで、その後のコンサートの経験が何乗にも広がっていきました。
斎藤晴美さんのご出身地であり、高麗恵子さんが、まだ先生と出会われる前に北上川で光を見出されたこの地――。
その光が、いだきのはじまりへとつながる一筋の道となったことを想うと、胸の奥に静かにあたたかい流れが生まれます。
幼い頃、あるいはそれ以前から求めてきたような深いぬくもり、生命の奥から湧き上がる希望の光が、いま確かに息づいています。
開場前のロビーで拝聴したビデオ講演会を通して、盛岡という大地の上で起こるひとつひとつの出来事が、どれほど尊い働きでしょうと感激のまま開場となりました。
第一部ではロビー当番をさせていただき、人と人、場と場をつなぐ風のような時を過ごしました。
第二部、ホールの中では体の深奥にまで響く音、いのちの光の交流。盛岡での宇宙体験は格別で、全身で受け取るたび、奥がさらに開いていく連続に神秘を見ます。まるで、これから愛の国を創るための準備を、すべて整えていただいているようでした。最高の経験を未だ言葉にできないことがもどかしいです。
高麗恵子さんにはコンサートメッセージを毎回記して下さりありがとうございます。読むたびにあたらしい扉が開かれます。この度は特に、最新版の哲学書を読むような深さであります。まず「経験」として与えられる――いだきならではの恵みを活かしていきます。
いだきの経験を実際に身を運び、尊び続ける人が増えていけば、世界は確かに変わっていく。その流れは、すでに始まっています。
実は盛岡に入る直前、仕事の上で信じられない出来事がありました。しかし、怒りではなく笑いが生まれ続けました。相手の行為の奥にある長い歴史が浮かび、こういう時なのかなと気付いたその瞬間、自分の器が大きくなっていると実感し、更なる力が生まれました。
最高にうれしいこともあり、振り幅大きな一日一日が豊かです。かつては押し切るように進むことを「生きる」と思っていましたが、いまはただ、光で在ること、瞬間瞬間生きることに努めています。私もすぐに頭で規則を作りますので癖をあらためます。
世界中に、こうして、真の幸せを実感し生きる人々が広がりますように。
今日も、震災復興支援のために創ってくださった、NPO高麗 東北センターへ向かわせていただけることに、深い尊敬とともに、新しい一歩を歩み出していきます。
