KEIKO KOMA Webサロン

高句麗の父、高麗笛の音


2日間の「高句麗伝説」が無事におわり、心よりありがとうございます。

要中の要と見えていた15日、16日です。無事に終わった後にはどのような世界が拓かれ、私は何を感じ、何を考えるだろうかと想像しても、未知でありました。長い人間の歴史、魂の道を歩んできたような体感があります。そして長い歴史を生きた全ての魂と共に、一気に異次元世界、新しい世界へ飛翔できた安堵と喜び、感謝の気持ちで一杯です。

父と感じる高麗笛を狛江の会場に運ばせていただき、先生に吹いていただきました。高麗笛は、音が鳴ることを待っているようでした。先生が吹いてくださると、キーンという一筋の鋭い音が生まれ、空間を裂いていくように光の道が作られていきます。私の胸の奥は父の真の魂の声を聞いたようで感動と感謝に震えました。

今日は比叡山で染めたマーブリングの夏物の着物を着させていただきました。着付けをしていただいている時に、あまりの軽さに驚きました。特に背中が軽く、何の重荷も背負っていない体感がうれしく、それこそ羽があれば自由に飛んでいけそうに感じました。これからを生きる衣装と感じ、喜び生まれます。昨日の牛首紬は、大変重いのです。初めて着た時は、胸が重く閉ざされ、「高句麗伝説」にて詩を詠むことを阻んでいる重さに、涙までこみ上げました。最後の方にやっと胸が拓かれ、身も心も軽くなったのです。歴史の重荷を体で感じる経験でした。着物が苦手であった私が初めて自ら購入した着物です。出会ってしまい、買わずにはおれないのでした。白山のふもとで作られているもので、製作者が高麗縁のお名前でした。魂の導きとしか考えられずに、着させていただくようになりました。今日のマーブリングの着物は未来と感じ、イラン大使館でのパーテイーにて出会ったトルコ人にマーブリングをするきっかけを作っていただき、今日、「高句麗伝説」の舞台衣装に着させていただけるようになりました巡りにも心より感謝します。

体も心も軽い時は自由な表現できることを知っています。今日は、はじめからとても軽やかであり、心がときめきました。先生から生まれる音のダイナミックさは、宇宙の波に乗っているような地球を越えた世界で生き始めた体感があり、今も体の内で鳴り続けています。ダイナミックといったらこれほどダイナミックな世界があるでしょうか。おおいなる存在あらわれ、封印された神あらわれ、国創りの神あらわれ、地に眠る魂、地に埋められた魂、土、岩、木々と同化しある霊魂、存在、全ての魂があらわる空間に身を置いているのです。ダイナミックで自由な生命を体感します。

太鼓の音は大地も空間も揺るがし、全てを変えていく有無を言わせぬ迫力に、おおいなる存在と出会います。おおいなる存在あらわる時代を宣言し、人間とならねば今後は生きていけないことを告げられたと感じます。あれだけの太鼓を叩かれた後にすぐ高麗笛を吹かれたことは昨日に続き、驚くべくことであります。生命賭けということ、世界を変えることは気迫あふれる演奏からそのまま現れています。高麗笛の音色から五女山から眺めた雲海が見えました。まるで五女山で見ているようでした。雲海はるか向こう、と詩を詠んだ時、この時を待ち続けてきたことをわかりました。そして高麗笛と共に「高句麗の父」の詩を詠ませていただいた時、やっと悲願が成る時が来たことを確信しました。

ある年の秋、五女山と集安に行く予定を立てていました。出発の日の朝、先生がお身体の具合が悪く、キャンセルしてほしいとの連絡が入りました。先生のお身体が具合が悪いとは、世界中の限界にあることを身に受けておられるので、五女山に行けるような状況ではないということを受け止めました。キャンセルをし、日本で過ごし、先生と同行する予定であった仲間と一緒に話し合いをしているうちに、1日遅れで出発できることとなり、集安をキャンセルし、五女山にだけいくこととなりました。その時の五女山に見た歴史の影、悲しみを私は「高句麗の父」とあらわし、詩に表しました。高句麗の父の悲しみを私は生涯忘れない、と心に誓いました。その時の五女山は見ているだけで涙こみ上げてくるのです。先生にこのことをお話しした時、先生と重なるとおっしゃいました。言葉によっては表現できない言葉にならない深い悲しみを忘れることなどできずに生きています。ある時、高麗笛の演奏と一緒に、「高句麗の父」の詩を詠める時がきたら、世界は変わり、歴史の影であった状態は、ひっくり返り、高句麗の真があらわるとの夢のお告げを受けました。イランにて法律を覆し、開催できたイラン革命後初の女性が出る舞台を男女が一緒に参加できる「高句麗伝説」にて「高句麗の父」の詩を高麗笛の演奏と共に詠ませていただいたことが初めての実現となりました。そして今日、父を感じ、ずっと手元に置いたあった吹いたことのない高麗笛の演奏の時に「高句麗の父」よりないと見え、詠ませていただくことが叶いました。歴史の影、裏となっていた真が表にあらわれ、世界は変わります。悲願が成る時です。

汗が流れ落ちる程のとてつもない経験の連続でした。存在と出会い、存在とひとつになる時、尋常でない汗が吹き出る程に体が熱くなるのです。初めて即興詩を狛江の会場で詠ませていただいた時には、汗でびしょ濡れとなり、存在との出会いは全身に火が燃えているようだと感じたのです。今日も熱くて熱くて汗が流れ落ちていました。存在との出会いの瞬間瞬間でした。人間になる瞬間瞬間でした。そして目覚めることのなかった魂が目覚めるとの詩に、奇跡によって世界は変わることが見えたのです。確かに要と見えていたこの2日間の経験は世界を変える程のことであったと受け止めます。まるで今までとは違う明日を迎え、未知なる世界へと向かいます。ありがとうございます。

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結工房にて:ジェンダーフリー