肉体を超えて

降り注ぐ光に色づいた木の葉が呼応し、美しく輝き迎えてくれました。昨日の渋谷コンサートから一夜明け、美しい空間が広がっています。
静かに静かに始まった先生のピアノに耳を澄まし、心を澄まし、身体の奥の奥へ辿っていきます。普段、表層のことに囚われ忘れてしまっていると気づく身体の中心です。しばらくすると覆いのようなものが剥がれ、更に奥を感じます。心身解れ、癒され迎えた第二部、集中できることが心地よく、内を感じ続け、あるところで一気に舞台の幕が上がるようにして場面が変わり、自分も飛翔しました。肉体がありながら肉体を超えて生きる自由を経験します。幸せや喜びでもありながらそういう言葉にもならない経験。普段、自分の感情に自分が振り回されているのではと感じます。生きること、在ることの充足感に満たされます。舞台空間を一望する上の席に座っていたこともあり、空間にはまるで見えるようにして在る存在をわかりました。人と人の間に入る妙なものではなく、真の存在と共にあり生命開花し生きられる今であることを見せていただくようでした。かつて肉体を切り離して人間存在について考えられたこともありましたが、肉体も深淵な内面も全てあり人間であることを経験をもって理解深めていけます今を心よりありがとうございます。
高麗さんのビデオ講演会をお聞きし、夫々のわかり方があるというような旨のことをお聞きしたことが心にあり続けています。すっと胸に入り、そうだと感じたのです。考えればわかることもどこかとぼけている自分を自覚しました。先生が何をされているのか本気で理解していく気持ちです。演奏が終わり、涙込み上げる１２月はじめのコンサートでした。