KEIKO KOMA Webサロン

大きな経験


途中、電車が遅れたことで今回は、開演に間に合いませんでした。汗だくと気を静めるのに時間を要し、ロビーでの待ち時間は先生の音がなかなか聴こえてきません。間に合わなかったことへの苛立ちが募っているからです。目を閉じ、ピアノの音に耳を傾けているうちに、苛立つ自分に問うていました。もちろん初めから時間に余裕があって、着席できれば最高です。ですが、毎回必ずそうとは限らない時、自分は何に気づくのだろうかと考え始めたら、会場内に案内されました。着席すると同時に、遅れてでもこの場にこうして参加させて頂けることの、ありがたさに思わず感謝しました。パイプオルガンの音色の中で、様々なことなのか何なのかよく分かりませんが、浮かぶように見えては消えていきます。自分が集中しているのか、気が散漫なのかすら分からない世界に、すっぽりとくるまれている感覚です。ただ心地よく束縛されずに、のびのびと自由なままいられる自分の状態に、これ以上のことがあるのかと、さっきまでの時間への苛立ちは、きれいさっぱり消えています。余計なことで、自分の身を痛めていたと気づきます。第一部のメッセージは何だったのでしょうかと考えましたが、既に経験していると分かりました。

第二部のメッセージをお聴きし、突然絶たれる継続、死に対し戦慄が走りました。衝撃が大きなまま、先生の音に耳を傾けます。先程の苛立ちすら死に直結すると見える中、巨大な渦巻きが大きな口を開けて、グルグルと旋回しているようでくらくらします。常に死と隣り合わせなのだと見えます。その巨大な渦巻きが、突然変わりました。青と藍色、群青色を織り混ぜた様な美しい青が中心にあります。その周りに美しい緑色が、はっきりと見えます。あまりにも美しい彩りなので、思わず魅入ります。高麗さんがお正月にお見立てして下さった、五女山城の城壁の石垣であるベネチアンガラスのようです。やがてその青と緑は全体と溶け込み、一つとなります。私も同じく大きな世界と一つとなり、あっという間にコンサートが終了しました。無我夢中で拍手をする中、大きな経験をさせて頂いたと分かります。ありがとうございます。

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月夜
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いだき京都事務所にて
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高麗恵子ギャラリー、東京高麗屋にて