KEIKO KOMA Webサロン

十三夜


アントレプレヌールサロンからの帰り道、私の左側には十三夜の月がやさしい光を放ちながら、見守るようにそっと傍にいてくれました。マンションのDog Runからその月を眺めていると、私が間違っていたことに気づきました。私は愛犬を亡くしてから、ずっと悔やんでも悔やみきれないことがありました。最後の最期まで共にいてあげられなかったからです。どうしてあの時、酸素ハウスなんかに入れたのだろう。どうしてあの時、抱きしめていなかったのだろう。こんなに近くにいたのに、気づいたら君はたったひとりで逝ってしまったと。10月16日、愛犬の叶わなかった夢、17歳のお誕生日に、大きな瞳であの日何を見つめていたのか知りたくて、同じ場所に仰向けになって白い天井を見上げてみました。激しい嗚咽で泣きじゃくり、二度と戻ってこないあの時を悔いたまま過ごしたのです。そして、普段食べない小さなデコレーションケーキを、味も分からないまま泣いて食べました。翌朝5時、激しい腹痛と吐き気に目が覚め、ボタボタ落ちる冷や汗を流しながら、トイレに1時間半座り込み苦しみました。今までに経験したことのない苦しみの中、思わず「先生、助けてください」と叫んでいました。やっとの思いで病院に行き、血液検査とレントゲンを撮りましたが、数値上は異常なし。翌日の私の誕生日の夜、愛犬は夢に現れました。そして、おちゃめな姿で私を笑わせてくれたのです。昨夜の月を眺めながら、彼はすべてを受け居れて旅立ったのだと、ようやく分かりました。私は勝手にひとりで部分にこだわり、囚われていたのです。愚かな苦しみを自分で作り上げていました。やっと気づくことができました。愛犬 は最期まで「ありがとう」と伝えてくれていたのです。ちっぽけな部分でなく、大きく全体を見ること。気づかせて頂き、ありがとうございました。

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