内面の宇宙

三鷹でのコンサートをありがとうございました。

第一部「精神的宇宙」では、開演直後に渦まく混沌とした灰色の世界を感じるもそれが何かわからず、自身の宇宙についての観念を取り払う必要を感じました。すると、普段は空間に響き渡るピアノの音を、塊のように真正面からダイレクトにお腹に受けるという経験をし、一音、一音が命そのものと感じられました。すると、多様性に富んだ豊かな地球上の生命の躍動を感じました。幼い頃の遊び場であった原っぱの光景が現れ、そこには、生命力がみなぎる鮮やかなグリーンの色彩を帯びた昆虫と植物たちが生息する小宇宙が広がっていました。さらに、灰色の背をした魚が渓流の中に見え隠する姿を目にし、野生の世界に神秘を感じた当時の感覚が蘇りました。さらに演奏が続くと、胸のあたりに、透明な空間が温もりとともに広がるのを感じていました。自分の枠がピアノの音に押し広げられていくようでした。さらに、終焉間際には、天上高くにピアノの音が銀河の果てまで轟くのを感じ、宇宙に通ずる内面を経験しました。

第二部「愛の宇宙」では、第一部の宇宙の演奏に満足してしまったのか、暫く体が音を受け付けない状態にありました。わかったつもりになる自身の限界を突破し自分の枠を広げる必要を感じました。そして、ある瞬間をとらえると、天上の世界に連なる山々の間を、笛の音色のような美しく繊細な音が緩やかに響き渡り、安らぎと懐かしさを感じました。そして、そこが、魂が安息する魂の故郷であると感じました。

ありがとうございます。