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マーブリングの着物と迎賓館コンサート


昨日の迎賓館コンサートを経験した今朝は、どこか遠くの異星から帰って来たかのようで、朝目が覚めても起き上がれずに、そのまま眠っていました。いろいろな夢を見ていた気がしますが、それすらも朧気でよく眠れたことがありがたいです。

高麗さんにお見立てして頂いたマーブリングの着物が仕立て上がったとの連絡を頂き、ちょうど誕生日の翌日が迎賓館コンサートであった為、その日に着るしかないと考えたらどうしていいか分からない程舞い上がっていました。ところが、天気予報は生憎の空模様であり、なぜか着る時はこの日ではないと分かりました。送って頂く前に一目見たいとお願いしたのですが、高麗ギャラリーカフェにて拝見させて頂く前から、どうしようもない位に胸が高鳴ります。紐解いて頂き現れた姿、広げて着物の形にして頂いたその姿は、圧倒的存在で立ち現れていました。瞬時に「こわい」と畏れで慄きました。前からと、後ろからと形を変えて見せて頂きましたが、この目の前の着物が到底自分の着物とは考えられず、「誰の着物か」と心の中でつぶやいた時、「惚けていられない」と瞬間に諫める声が聞こえます。大変なことになったと思っているくせに、実は嬉しくて生命躍動しているのが真の自分であると分かるバスの道中です。

迎賓館コンサートが始まると、先生のピアノの音がいつものように自分の中に降り注ぎます。暫くすると今度は、自分の中から何かがどんどん外に出ていきます。その出方があまりにも激しく、瞬間身を守るように「こわい」と何かを庇うようにすると、心臓に痛みが走りました。ますます怖くなりましたが、先生の音に身を委ね「何がそんなに怖いのか」と自分に問うていました。暫く痛みは続きましたが、「怖いものは何一つない」と分かった瞬間、痛みはなくなり先生の音と一つとなる事ができたのです。あとは涙しかありません。頭で拵えた「こわい」は、つい先程着物を見た時に感じた「こわい」と同じであると分かります。真の自分とは何かを問うコンサートです。休憩時間を挟んで先生が話してくださったことも、最初から最後まで涙が溢れて仕方がありません。自分の中に「ある」と先程分かったことは、先生が「生命の中に答えはある」と仰ったことで、より深く分かることができました。これからは、更に何もかもが問われる今となり、惚けていては生きられない今となりました。

高麗さん、着物をお見立て頂きまして、ありがとうございます。先生、迎賓館コンサートで経験しましたことを活かしてまいります。ありがとうございます。

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