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「料簡」


もうすっかり使われなくなった言葉「料簡」。 30代以下では、ほとんど通じない。 「了見」とも書いて、「料簡違いだ。」「悪い料簡を起こす。」 「どうか了見してくれないか。」などと使う。 漱石の文章などによく見かけた。 語彙は、①推しはかり考えて選ぶこと。 ②考え巡らして判断すること。 ③思慮・考え・分別・考え方。 ④処置・取り計らい。 ⑤分別してこらえること。 我慢する。 など。 意味の広がりはあるが、要は頭を使うことである。 この言葉が使われなくなったということは、もうみんな思いのまま。 感情のまま生きていて、考えて行動していないということではないか。

しかし、先日、新聞でこの言葉に出会って、何か旧友に会えたような、大事なことを思い出したような気分になりうれしかった。 「考える」「推しはかる」などの大和言葉も大切だが、5世紀以後、漢字の渡来を得て、日本人は、言葉の骨組を得たように思う。 「料簡」と言えば、しっかり物事をとらえ、行動に移していくことの大切さを、きちんと表現しているではないか。 「料簡違い」をお互いに確かめ合って、すこしでも解決の方向に進んでいった先人たちの知恵だと思う。

それにしても、良い「料簡」に会うことが少なくなった。 思い付きや、軽い親切や気遣いばかりである。 それがさびしい。

 

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